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守護戦士エンジェリオン!番外編「エンジェリオン危機一髪!」
2012-03-05 Mon 21:07
はいどうもこんばんは!
本日の更新は、前回の記事で予告したSSの投稿となります。
出来立てほやほやの新作ですよお客さん!
では、早速どうぞー。

---

「オーホッホッホ!、ついに捕まえたわよ。エンジェリオン・ルビー!」
ゾーラは、手に持っていたルビーのバイザーを床へ投げ捨てる。
「ふんっ!、ボクを捕まえたからって良い気になるなよ、ゾーラ!」
デモニアンに捕まってもなお、威勢の良いエンジェリオン・ルビーだったが、全身を包んでいたスーツには刃物で斬り付けられような傷跡が無数に有り、露出した肌は血にまみれている。
バイザーを外され、顕になった素顔には、相当の疲労も見て取れる。
「あら?、これだけ傷めつけても、まだ減らず口が叩けるなんて大したものね」
傷ついたルビーの姿を見て、ゾーラはほくそ笑んだ。

---

リオとユリカの二人は、いつものように人気のない部屋でミーティングを行なっていた。
「デモニアンにわざと捕まる!?」
ミーティングを初めて直ぐ、リオが突然言い出したことに、ユリカは思わず大声を上げてしまった。
「うん。奴らの狙いは、ボク達の持つエンジェリックストーン。ボクを捕まえれば必ず、悪魔王の元へ届けるはず!」
「そんなこと絶対に駄目よ!、危険過ぎるわ!」
「危険なのはボクも十分判ってる!」
そう言ったリオの顔には、焦りの色が浮かんでいた。

---

エンジェリオンとデモニアンの戦いは激化する一方だった。
彼女達は人知れず精一杯戦い、人々を救ってはいる。
だが、それはあくまでも氷山の一角にしか過ぎない。
今も彼女達の知らない所で、多くの人々がデモニアンの犠牲になっている。
リオにはそれが歯痒く、無力な自分が許せないでいた。
「こうしてる間も・・・、奴らは皆を!」
苛立たしさを隠せず、リオは語尾を荒げる。
「リオの気持ちは判るわ。でも、ここは落ち着いて・・・」
なだめようとするユリカの言葉を遮り、リオは言う。
「ボク一人じゃ絶対に成功しない!、ユリカさん!、お願いだからボクに力を貸して!」
大切な友達が、自ら死地へ飛び込もうとしている。
そんな極めて危険で無謀な行為を、ユリカは許すことができない。
「――判ったわ。リオがそこまで言うんだもの。断れないわよ」
だが、自分を必要としてくれているリオの言葉がユリカには嬉しく、その思いに全力で答えたいとユリカは決意した。
「さっすが!」
「で、リオ。具体的な作戦はもちろん考えているのよね?」
「えっ!?、そ、それは今から・・・」
リオが苦笑いを浮かべると、ユリカはやれやれとため息をついた
「はぁ・・・。本当に良かったのかしらこれで」

---

ルビーの素顔をまじまじと見つめるゾーラの手には、挑戦状と書かれた紙が握られていた。
「たった一人で、デモニアンの幹部であるこの私に勝てると、本当に思っていたのかしら?、そうだとしたら、私も舐められたものね」
手に持っていた紙を、ルビーの目の前でぴたぴらと振って見せる。
「返り討ちに遭った挙句、この無様な姿。クッ!、本当にいい気味だわ!」
そして、ゾーラはルビーを見下し嘲り笑いながら、今までの鬱憤を晴らすかのように、ビリビリと紙を引き裂いた。
「ふふっ。それに、お楽しみはまだまだこれからよ。、お前達!、こいつを連れて行きなさい!」
「ディー!」
「くそっ!、離せっ!」
二人の戦闘員に掴まれた腕を振り払おうとしたが、満身創痍のルビーには、その力すらも残されていなかった。

---

ルビーが連れられてこられた部屋は薄暗く、壁に飾られた悪魔の顔を模したレリーフだけが、照明で照らされていた。
「ここは・・・?」
「ようこそ、エンジェリオン・ルビー」
ルビーが周りを見渡していると突然、悪魔の顔を模したレリーフの両目が赤く点滅し、何者かの声が部屋中に響く。
「だ、誰だ!?」
「この御声こそが我らデモニアンの主。悪魔王様の御声よ」
「はっ!、声だけで姿を見せないなんて、とんだ腰抜け魔王じゃないか!」
「五月蝿い!、それ以上、悪魔王様を愚弄したら許さないわよ!」
ルビーの様子を見ていたゾーラが、怒りの籠もった声を上げる。
「落ち着け。ゾーラよ」
「は、はい・・・」
悪魔王の声にゾーラは渋々と返事をしたが、ルビーを見る眼差しは怒りに燃えていた。
「生憎、我は憎き神の力で思うように身動きが取れぬのだ。我が自由の身になる為にも、エンジェリオン・ルビーよ。貴様の持っている火のエンジェリックストーンを我に差し出せ」
「そんなことを聞かされて、はいそうですかって渡すわけないだろ!」
「では、仕方が無い・・・。ゾーラよ」
「はっ!」
悪魔王の言葉に対して、ゾーラは待ってましたと言わんばかりに瞳を輝かせて応える。
先程までの様子が嘘のように、その瞳からは怒りの色が消えていた。
「な、何をする気だ!」
「なぁに。貴様自らの意思で、我にエンジェリックストーンを差し出したくなるようにするだけだ。それに、貴様はデモニアンになるには十分な資格も有しているからな」
「僕が・・・、デモニアンに・・・?」
悪魔王の言葉が理解できず、ルビーは呆気に取られている。
その様子を見たゾーラは、得意満面の笑みを浮かべてルビーに答えた。
「ふふふ。お前は今からデモニアンに生まれ変わり、悪魔王様に永遠の忠誠を誓うことになるのよ」
パチンッ!
ゾーラが指を鳴らすと、それを合図に中央の床が開き、十字架の形をした磔台が現れた。
「くそっ!、離せっ!、離せ――っ!」
ルビーは、自分へ迫ってくる戦闘員達を払い除けようと藻掻くが、直ぐに力尽き、なすがままに磔にされてしまった。

---

「くっ!、外れない!」
ルビーは、ジャラジャラと手足を縛っている鎖を鳴らしながらもがいている。
それを見ていたゾーラは、呆れた様子でルビーに話しかけた。
「いい加減に観念しなさい。いくら足掻いても、もう無駄なのよ」
「黙れ!、きっとサファイアがボクを助けに来てくれる!」
「ふふ、いくら喚いても助けは来ないわ。さぁ、これを被りなさい」
「えっ・・・?」
ゾーラはルビーの頭にバイザーを取り付けた。
それは、ルビーが被っていたバイザーとは違い、全体は漆黒の色で染め上げられ、左右の耳当ての部分はまるで悪魔の角のように禍々しい形になっている。
「さぁ、洗脳開始よ!」
「ディー!」
「止めろぉ――――っ!」
ルビーの絶叫が部屋中に響き渡った。

---

「どうした!、何故始めない!?」
本来なら、ゾーラの指示でルビーの洗脳が始まるはずだった。
が、コントロールパネルの前にいる戦闘員は微動だにしなかった。
「おい貴様!、早くスイッチを押さないか!」
ゾーラは思わず、声を荒げる。
「ふっふっふ・・・」
ゾーラのその様子を見て、戦闘員は不敵に笑い、自分の着ていた衣類を投げ捨てると、長い髪をなびかせ、ルビーの朱色のスーツとは対照的な蒼色のスーツを来た女性が現れた。
「何!?、貴様は!」
「守護戦士、エンジェリオン・サファイア参上!」
サファイアは戦闘員に変装し、ルビーを助ける機会を狙っていたのだ。
「おのれ、エンジェリオン・サファイア!、既にこの基地に潜入していたのか!?」
「ふふ。このバイザーはね、お互いの位置が判る仕組みなのよ」
そう言って、サファイアは自分のバイザーを指さした。
「ルビーの後を追って、お前達の基地を見つける。最初からそういう作戦だったのよ!、そんなことにも気が付かないなんて、ルビーを捕まえたことがよっぽど嬉しかったのね。ゾーラ!」
「黙れ黙れ黙れっ!、お前達何をしている!、早くそいつも捕まえるのよ!」
「ディー!」
「そうはいかないわ!」
サファイアはコントロールパネルを破壊し、ルビーの拘束を解く。
「やったねサファイア!、作戦成功!」
自由になったルビーは、取り付けられていたバイザーを外すと粉々に砕き、サファイアの元へ駆け寄る。
「ええ!、後は、悪魔王とゾーラを倒すだけよ!」
「悪魔王様と私を倒すですって?、オーッホッホッホ!、飛んで火に入る夏の虫とはこのことね!、今度は二人纏めて捕まえてやるわ!」
エンジェリオンの二人とゾーラはお互いを睨み合い、臨戦態勢を取る。
その時だった。
「待つのだ。ゾーラよ」
悪魔王の声が響く。
「エンジェリオンよ。見事な作戦だったぞ。」
「あら?、悪魔王に褒められるとは思っても見なかったわ」
「悪魔王!、観念して姿を表わせ!」
悪魔王の言葉に、エンジェリオンの二人は口々に答えた。
「貴様等の作戦とそれを実行した勇気に免じ、この場は負けを認めよう・・・」
「悪魔王様!、ですがっ!」
「良いな?ゾーラよ」
「・・・はい。承知しました」
ゾーラが臨戦態勢を解くと同時に、非常灯が赤く点滅を始め、警告ブザーが鳴り響く。
ビィ――!ビィ――!
そして、人工音声のアナウンスが流れ始めた。
「この基地は10分後に自爆します。総員、速やかに退避して下さい。繰り返します――」
「では、エンジェリオンよ。また会おう。さらばだ!、ハーハッハッハ!」
悪魔王の笑い声が部屋中に響き渡る。
「エンジェリオン!、この借りは絶対に返すわ!、覚えてなさい!」
「待て!、逃さないぞ!」
ルビーは逃げていくゾーラを追おうとしたが、戦闘員達が行く手を阻んだ。
「くそっ!、そこを退けぇ!」
「ルビー!、早く脱出するわよ!」
「くっ・・・」
サファイアはルビーの手を掴むと、一目散に出口へと走った。

---

「あと一歩だったのに・・・」
リオはポツリと呟いた。
その眼下には、黒煙を上げるデモニアンの基地が見える。
「そうね。結局、悪魔王もゾーラも逃がしてしまったわ・・・。でも、基地を失ったのは奴らにとっては相当の痛手のはず」
「(悪魔王は、ボクをデモニアンに改造すると言った。まさか、ね・・・・)うん。そうだね。」
リオは煮え切らない表情で頷く。
「それに、大事な親友が無事だったんですもの。今日は、それで満足だわ」
リオが無事だった安堵感で、ユリカの顔に思わず笑顔がこぼれた。
「もう二度と、リオ一人にこんな危険なことはさせない!、今度からは、二人一緒よ!」
「ユリカさん・・・」
ユリカの笑顔を見て、リオは照れくさそうに笑うことしかできなかった。
「悪魔王は、また必ず私達の前に現れる。皆を護るためにも、私達は絶対に負けられないわ!」
「うん!」
二人は決意を新たにし、その場から力強く歩み去って行く
彼女達の戦いは続く、悪魔王を倒すその時まで――

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